リフォーム相談:和室から洋室へのリフォームについて
和室から洋室へリフォームをされたい
とのご質問を、インスタのDMから頂きました。
同じようなご相談を頂くことが多く、水回りの工事に次いで多いリフォーム内容かなと思っています。
ぼく自身も何部屋も工事をさせて頂いたのですが、和室といっても色々なタイプがあります。
真壁か大壁か。
床の間があるかないか。
塗壁なのかクロスなのか。
現状によっても気を付けないといけないこと
必要な工事やかかる費用も違いますので、合わせて詳しく解説させて頂きました。
【和室の壁について】
現状の壁が、大壁か真壁かまずは大きなポイントです。
上の写真のように柱や長押が見える壁を真壁(しんかべ)といいます。
逆に柱が見えない壁を大壁(大壁)といいます。
真壁の場合、柱が隠れように木で下地組みをして
石膏ボードを貼り、大壁仕様にしたのち
そこにクロスを貼る方法が一般的ですが
コストを抑えるために、真壁のまま柱などの木部を白く塗装する方法があります。
また、現状の壁がクロスか塗り壁かによっても工事する方法が変わります
真壁から大壁にする工事をする場合はいいのですが
柱を塗装して洋室にする場合、塗壁にはクロスを貼ることができないので
一度、既存の壁にベニヤや石膏ボードを上から貼ってから、クロスを貼る必要があります。
【和室の天井について】
和室の天井を見てみて下さい。
クロスが貼ってあればクロスの貼替で大丈夫です。
しかし、木目の場合は要注意です。
木目のクロスでなく、木のプリント合板が貼ってある場合
個人的には一度今の天井を下地ごと落として
天井の下地組を新たにしてから
そこに石膏ボードを貼って
クロスは貼ることをお勧めします。
下処理をして現状の木の天井にそのままクロスを貼ったり
ベニヤを上から貼ってクロスを貼る方法もあるみたいですが
綺麗に仕上がらなかったり
後々クロスの剥がれやひび割れの原因になる可能性があります。
木天井は下地が簡易的に組んでいる事が多いので
クロス貼にする場合は
後々のことを考え、しっかりした下地組からつくることが大切だと思います。
【押入れ・襖・床の間】
洋間にすると襖が浮いてしまうので
押入れはクローゼット扉に交換したり
出入口の扉や引き戸も
新建材の引き戸に交換するといいと思います。
床の間は
一度床を解体して床のフロア材を貼り伸ばしたり
扉を付けて収納にする方法があります。
床柱は下地を組んでクロス貼りにすることもできます。
【畳】
最後に畳ですが。
既存の畳を剥がしてから
木下地を組んで、コンパネを貼り
その上にフロア材やCFシートを貼ります。
下地の木材の厚みが30㎜
コンパネが12㎜
フロア材が12㎜
合計で54㎜
ぐらいで納めるのがよくあるパターンですが
既存の畳の厚みや
畳の下に引いてある木材の状態によっても使う木材や施工方法が変わってきます。
たとえば、マンションなどでは
薄い畳を敷いていることがよくあるので
その場合は木下地ではなく左官工事で下地を調整することもあります。
また、築年数の経ったお家だと
床が傾いていることがるので
その場合は根太などを組みなおして床を水平に近づける工事も必要になってきます。
そして、木造の戸建てなどは
畳を剥いで床下が見える状況になるので
合わせて床下の状況を点検されることをお勧めします。
根太や大引き、束や基礎の状態を見て
・湿気が溜まっていないか
・シロアリが発生していないかなど
工事前に確認しておけば
床の工事と合わせて工事をすれば
費用を抑えることができます。
【その他】
窓に障子がある場合
サッシの木枠
欄間がある場合
出窓のカウンターが和風の木目
などによっても費用が異なります。
【予算について】
和室から洋室といっても、現状の和室の状態によって
必要な工事費用も変わってくるので一概に言えないのが現状ですが
今回のご相談者様の和室は
・6畳
・天井:クロス貼り
・壁:大壁(クロス貼り)
・畳:55㎜
・入口:新建材
・収納:1ヶ所
と比較的にコストが掛からないパターンでした。
費用としては30~50万円ぐらいでしょうか。
【最後に】
ぼくが大事にしていることは
お客様がなぜ、その工事をされたいと思っているのかということ。
お客様のご要望の本質的な部分を理解して
自分の知識や経験を生かして
お客様によりよいご提案をさせて頂いた上で
設計や工事を進めていくことです。
今回は、畳だとお子様が汚したあとの掃除のことや
アレルギーのことを考えると、床をフロアーにして
合わせてお部屋全体も洋室にされたいということでした。
そういう事ならと
掃除がしやすく
アレルギーの原因となるダニが湧きにくい
ダイケンの和紙畳をご案内させて頂きました。
また機会があれば
詳しくこの畳もご紹介させて頂こうと思いますが
フロアを貼って洋室にする大きな工事をしなくても
畳を変えるだけでお客様のお悩みは解決できるのかなと思います。
これからも
お客様により良いご提案ができるように
日々、情報収集と、勉強をしていきたいと思います。