2023.03.04

レンタルサイクルショップ りん

母方の実家のあった尾道市。
子供の頃は夏休みやお正月を過ごした、ぼくにとって思いれのある特別な地です。
そんな尾道で、縁あって店舗のリノベーション工事に携わらせて頂きました。

今回は、施工と家具や建具のプロダクションを
古材や足場板を取り扱われているウッドプロさん
内装のデザインをアグリスタデザイン

ということで

昔から憧れていたウッドプロさんとコラボさせて頂きました。


尾道駅前の商店街にひっそりとたたずんでいた店舗

昔は洋服屋さんとして、地域の方に愛されていたお店だったんだと思います。
工事中には、ここのお店の事を知る方々が、たくさん声をかけてくれました。
そんな親しみのあるお店を引き継いで、レンタルサイクルショップにリノベーションしていきます。

オーナーさんは十数年、毎年東京から尾道に遊びに来られていて
尾道でお店を出す事が夢だったそうです。

そんな大切な夢を形にする仕事を託して頂き、本当に嬉しいのと同時に
絶対に素敵なお店にしようという思いで、ウッドプロさんとのプロジェクトがスタートしました。

今回のテーマは
「和モダン」

和を表現するのに
壁の材料
床の仕上げ
照明器具の形
植栽
外観
色合い
などなど色々と考えましたが

和に傾きすぎないように
お施主様と打合せを重ね
ボリュームを調整していきました。

また、お施主様の大好きな尾道らしさを取り入れようと思い
塗り壁のデザインをご提案させていただきました。

まずは今回の工事のメイン。
2階の床の1/3を撤去し、吹抜け空間に。

床を剥ぐと、鉄骨梁や、今にもはずれそうな梁が出てきました。
補強を加えて強度を確保つつ、古材の風合いを残すために最低限の清掃と塗装でむき出しに。

階段も手するをアイアンで新調し
既存の階段に塩ビタイルを貼って重厚感のある階段になりました。
手摺と会談の黒が空間をぐっと引き締めています。

2階の水廻りも一新

丸い洗面と丸い鏡
品がありながら、リズミカルで
自転車の車輪を連想するような空間に

洗面もトイレも
暗めの照明がすきです。

そして
お店の顔となるカウンター

左官の伝統的な技法「版築」で
瀬戸内海の穏やかな波と、島を表現してもらいました。

版築壁の材料は「土」
この土を扱える左官屋さんは年々減っているそうです。
漆喰や珪藻土にはない、温かみと、表情の奥深さが本当に素敵です。

そして、そんな土壁と相性バッチリだったのが

ウッドプロさんの古材を利用したカウンター天板。
質感、色合い、風合い
総合作用でお互いの良さが引き立つ組み合わせでした。


なにより、真心こめて塗って頂いた秦左官工芸さんの思いと
思いを込めて古材を利用しているウッドぷろさん
そんな方々の優しい温もりが伝わってくる空間になりました。

みんなかっこいいな~

外観も外壁を塗替え
和のテイストを取り入れるために瓦屋根を設置。

外観(施工前)
外観(施工後)

古材+畳のベンチは
お茶屋さんやお団子屋さんに置いてある長椅子(縁台)をイメージしています。
古材と畳の初めての組み合わせでしたが、とても素敵に仕上がりました。

今回は思いれある土地で
大好きなウッドプロさんと仕事ができて本当に幸せでした。

また、自分と同じように
尾道という地に愛着を持ってくれるオーナーさんに出会えたことが本当にうれしかったです。

このお店を自転車で出発したお客様が
自転車に乗って沢山の人や風景に出会い
その人達にとっても、尾道が特別な地になってくれたら嬉しいです。

そして、この空間が
誰かにとって、思い入れのある、愛着のある
特別な場所になってくれたら最高です。

今回、お話を頂き、イメージを形にするにあたり全面的にフォローしてくれたウッドプロさん(@woodpro21)

僕の感性やインスピレーションを信じてくれたオーナーさん(@rin.onomichi_cycle)

いつも寄り添ってくれて、真心込めて形にしてくれた秦左官工芸さん(@hata_sakankougei)

丁寧な仕事で、いつも迅速に対応頂いた職人のみなさん
本当にありがとうございました。

レンタルサイクルショップ「りん」
尾道に行く際は是非立ち寄ってみてください。
おしゃれな自転車で、尾道やしまなみの空気を楽しんでください

・レンタルサイクルショップ りん
・広島県尾道市
・着工 2022年11月
・竣工 2023年1月